安倍首相「防衛力の姿、不断の検討が必要」 防衛大綱 敵基地攻撃能力、小野寺防衛相は「総合的に検討」

 安倍晋三首相は6日、広島市内で記者会見し、おおむね10年先を見据えた防衛力整備の基本指針「防衛計画の大綱」について「安全保障環境の変化に対応し、あるべき防衛力の姿はいかなるものかとの観点から、見直しについて不断の検討を行っていくことが必要だ」と述べ、改定を検討する考えを示した。

 見直し対象の分野については「これまで進めてきた南西地域の防衛強化や弾道ミサイル防衛の強化に加え、宇宙、サイバーといった新たな防衛も検討課題になる」と語った。

 現行の防衛大綱は平成25年末に策定。「統合機動防衛力」を基本概念に据え、防衛力の南西シフトや陸海空3自衛隊の一体的な運用などを掲げている。大綱改定は、次期中期防衛力整備計画(31〜35年度)の策定と並行して政府・防衛省が検討を進め、来年中に結論を出す見通しだ。

 首相は会見で、弾道ミサイルの発射元をたたく敵基地攻撃能力については「現時点において敵基地攻撃能力の保有に向けた具体的な検討を行う予定はない」と述べるにとどめた。

 一方、小野寺五典防衛相は6日のNHK番組で、敵基地攻撃能力について「自民党の提言を踏まえ、総合的にどのような対応が必要か検討していきたい」と述べ、否定しなかった。ただ「首相から『(敵基地攻撃のための)装備について検討せよ』という具体的な指示はない」とも言い添え、慎重に検討を進める考えを示した。

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